敬語の知識6分で読めます更新:

二重敬語とは?よくある例と直し方の一覧

二重敬語は「ひとつの語に、同じ種類の敬語を二重に使うこと」です。丁寧にしようとするほど起きやすく、しかも指摘されにくいため、気づかないまま使い続けている人が多い表現です。

二重敬語の定義

文化庁の「敬語の指針」では、ひとつの語について同じ種類の敬語を重ねて使うことを二重敬語とし、「一般に適切ではない」とされています。ポイントはひとつの語という部分です。文の中に敬語が複数あること自体は問題ではありません。

判定理由
お読みになられる二重敬語「お読みになる」で尊敬語が完成しているのに、さらに「られる」を重ねている
ご説明させていただきます問題なし「ご説明」(謙譲)と「させていただく」(謙譲)は別の語にかかっているため重複ではない
お伺いいたします二重敬語(ただし慣用として広く許容)「伺う」が既に謙譲語で、「お〜いたす」を重ねている

よくある二重敬語と直し方

尊敬語の重複(相手の動作)

よく使われる形直した形
お読みになられるお読みになる/読まれる
ご覧になられるご覧になる
おっしゃられるおっしゃる/言われる
お帰りになられるお帰りになる/帰られる
ご出席になられるご出席になる/出席される
お召し上がりになる召し上がる
お見えになられるお見えになる
見分け方

「お〜になる」「ご〜になる」の形になっていたら、そこで尊敬語は完成しています。さらに「られる」を足したくなったら、それが二重敬語のサインです。

謙譲語の重複(自分の動作)

よく使われる形直した形
お伺いいたします伺います/お伺いします
拝見させていただきました拝見しました
お伝えさせていただきますお伝えします/申し伝えます
ご報告させていただきますご報告します(※許容範囲)
頂戴させていただきます頂戴します/いただきます
お聞きいたしますお聞きします/伺います

「拝見」「伺う」「頂戴」はそれだけで謙譲語です。ここに「〜させていただく」を足すと重複します。ただし後述のとおり、慣用として定着しているものもあります。

丁寧語の重複

よく使われる形直した形
○○のほうでございます○○でございます
よろしかったでしょうか(過去でない事柄に)よろしいでしょうか
お名前様お名前
ご注文のお品物ご注文の品

「させていただく」の考え方

「させていただく」は二重敬語として指摘されがちですが、それ自体が誤りなのではありません。本来は「相手の許可を得て行う」「それによって自分が恩恵を受ける」場合に使う表現です。

  • 適切:「資料を拝見させていただけますでしょうか」(相手の許可が関わる)
  • 不自然:「本日は休業させていただきます」(相手の許可は関係ない → 「休業いたします」)
  • 重複:「拝見させていただきました」(「拝見」で足りている → 「拝見しました」)

許可が関わらない自分の行動には「いたします」で十分です。多用すると文が長くなり、かえって読みにくくなります。

慣用として許容されている表現

文化庁の「敬語の指針」も、二重敬語のうち習慣として定着したものは許容されるとしています。厳密には重複でも、実務で使って問題にならないものです。

  • お伺いします/お伺いいたします
  • お召し上がりください
  • お見えになる
  • ご報告させていただきます
実務での優先順位

二重敬語は、意味が通じなくなる誤りではありません。相手に伝わることと、期限や数字が正確であることのほうが重要です。神経質になりすぎるより、上の一覧で頻出のものを避けられれば実務上は十分です。

送る前に確認する

二重敬語は書いている本人が気づきにくいため、機械的にチェックするのが確実です。文章を貼り付けると、上の一覧に載っている代表的な二重敬語と誤用を検出するツールを用意しています。

二重敬語・誤用チェック(無料・送信なし)ブラウザ内で判定するため、入力した文章はどこにも送信されません。敬語テスト20問で確認する二重敬語・尊敬語と謙譲語の使い分けを実際の場面で出題します。

よくある質問

二重敬語とは何ですか?

ひとつの語について、同じ種類の敬語を二重に使うことです。たとえば「お読みになられる」は「お読みになる」で尊敬語が完成しているのに、さらに「られる」を重ねているため二重敬語になります。文化庁の「敬語の指針」では、一般に適切ではないとされています。

「お伺いします」は二重敬語ですか?

厳密には二重敬語です。「伺う」がすでに謙譲語であるためです。ただし慣用として広く定着しており、文化庁の「敬語の指針」でも習慣として許容される例に挙げられています。ビジネスで使って問題になることはほとんどありません。

「ご説明させていただきます」は間違いですか?

二重敬語ではありません。「ご説明」と「させていただく」は別の語にかかっているためです。ただし「させていただく」は本来、相手の許可が関わる場合に使う表現なので、許可が関係しない場面では「ご説明します」「ご説明いたします」のほうが自然です。

二重敬語は失礼になりますか?

意味が通じなくなる誤りではなく、相手が不快に感じることはまずありません。ただし、丁寧にしようとして重ねた結果くだけた印象を与える場合があります。頻出の形(お読みになられる、ご覧になられる、おっしゃられる)だけ避けておけば実務上は十分です。

この記事は敬語ボタン(iPhone向けAIキーボードアプリ)を開発・運営する株式会社Core7が執筆しています。他社サービスに関する記述は2026/07/28時点の公開情報にもとづくもので、最新の内容は各社の公式サイトをご確認ください。

関連記事